「大人の見識」
作家、阿川弘之氏が自らの見聞や読書体験から、近代日本の要人の行動や発言、英国人の見識、日本海軍の伝統を通して、人間の叡智を綴った一冊です。
最近、自己啓発関連の本を中心に読んできたため、長く人生を歩んできた人の考え方も学びたいと思い、読んでみました。
阿川氏は、自分には「大人の見識」の持ち合わせは無いとした上で、自身の「懐古談」を通して、読者に自分たちの叡智を育てる参考にして欲しいと書いています。
最近、「品格」という言葉の入った本がベストセラーとなったり、これに続けとばかりに「品格」をつけたタイトルの本が目立ちます。
私は阿川氏の作品を読んだことが無く、作品も知らなかったこともあり、この本も現代社会のありさまを嘆いて、こうあるべきだと説くような内容かと思っていたため、ちょっと意外な内容でした。
阿川氏は、海軍に入った経歴があり、著名な作品に海軍提督三部作があり、阿川氏の作品をよく知る人にとっては、違和感の無い内容かもしれません。
最後は孔子の見識で締めくくられているものの、全体的に戦時中の話が多いため、抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、一つの見方として読めば、学ぶ点はあると思いますし、近代日本史の知識としてとらえることもできると思います。
中でも英国人のユーモアについては、日本人が学ぶべき点だと思います。
ただし、これはセンスの問題でもあるため、気をつけないと、予想とは裏腹の結果をもたらすことにもなりかねませんね。
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